地方の薬剤師転職はどう違う?勤務地を広げて求人を探した実体験

転職・職場選び

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薬剤師として転職するとき、「地方だと求人は少ないのでは」「地方の方が年収は高いのか」と気になる人もいると思います。

私はこれまで4回転職していますが、最初から地方で働こうと考えていたわけではありません。

最初の転職では、それまで住んでいた都市部とその周辺で求人を探しました。

2回目以降は転勤や転居も含めて勤務地をかなり広く設定し、住む場所を先に決めるのではなく、求人の条件を見て勤務地を選ぶようになりました。

3回目・4回目の転職時には薬剤師経験が10年を超え、管理薬剤師の経験もあったため、一般薬剤師だけでなく管理薬剤師を求める求人も候補に入っていました。

実際に探してみると、勤務地を広げるほど求人は増えました。ただし、地方ならどこでも高年収というわけではなく、年収、休日、勤務時間、役職、住宅支援など、条件は求人ごとにかなり違います。

この記事では、地方を含めて広い地域で薬剤師求人を探したときに感じたことをまとめます。

なお、私の場合は単身で転居への抵抗が少なく、正社員・管理薬剤師も候補に入れられる状態でした。

子育て中で勤務地や勤務時間を限定する必要がある人や、パート勤務を希望する人などでは、私と同じような求人の見え方になるとは限りません。

地方の薬剤師転職は「求人があるか」だけでは決まらない

薬剤師の配置には地域差があります。

厚生労働省も、薬剤師には地域による偏りや、薬局・病院といった勤務先による偏りがあるとして、薬剤師偏在指標を使った確保対策を進めています。

参考:厚生労働省「薬剤師確保対策」

ただし、「地方ならどこでも薬剤師が足りない」という単純な話ではありません。

私が実際に求人を探した範囲では、正社員という程度までしか条件を絞らなければ、市町村単位でも10件以上の求人が見つかることは珍しくありませんでした。

もちろん、人口がかなり少なく、医療機関や薬局自体が少ない地域では事情が変わります。

少なくとも私の転職活動では、「求人そのものがない」というより、そこから年収、休日、勤務時間、仕事内容、役職などを加えていくことで候補が絞られていく感覚でした。

地方で求人を探すときは、件数だけでなく、勤務地をどこまで広げられるか、希望条件にどこまで幅を持たせられるかも大きく影響します。

勤務地を広げると紹介される求人はかなり増えた

2回目以降の転職では、特定の地域にこだわらなくなりました。

その時点で住んでいた地域の求人も見ましたが、「今の家から通えること」を最優先にはしていません。

条件の良い求人が別の地域にあれば、転居することも含めて考えていました。

北海道・沖縄・離島は基本的には候補から外していましたが、それ以外はかなり広い範囲を勤務地候補にしていました。

その状態で求人を紹介してもらうと、すべてを細かく確認するのが大変なくらい候補が増えました。

都市部も普通に候補に入っており、大都市の中心部にある求人を紹介されたこともあります。

つまり、地方求人だけを探していたわけではありません。都市部も地方も含めて比較した結果、地方にも条件面で目に留まる求人があった、というのが実際のところです。

複数の転職サイトを利用したときには、同じような希望条件を伝えていても、紹介される求人が完全に同じということもありませんでした。

希望に近い求人を中心に紹介する担当者もいれば、一部の条件は外れていても、年収や休日など別の部分が良い求人まで提案する担当者もいました。

転職回数が増えたときに、求人や条件がどう変わったと感じたかについては、こちらの記事で振り返っています。

関連記事:薬剤師は転職回数が多いと不利?4回転職した経験から感じたこと

自分の希望地域でどのような求人があるのかは、実際に条件を伝えてみないと分からない部分もあります。

今すぐ転職すると決めていなくても、現在の職場と比べてどのような求人があるのかを確認する目的で転職サービスを使うことはできます。

経験年数や管理薬剤師経験で候補も広がった

勤務地だけでなく、それまでの経験によっても紹介される求人は変わりました。

3回目・4回目の転職時には、薬剤師として10年以上働いており、ドラッグストアと調剤薬局の両方を経験していました。

管理薬剤師の経験もあったため、「管理薬剤師経験者」を求める求人も候補に入るようになりました。

私が紹介された求人の中には、一人薬剤師として勤務することや、管理薬剤師として店舗を任されることを想定したものもありました。

こうした求人では、一人で対応する業務の範囲が広いため、ある程度の調剤経験や管理薬剤師経験を求められるものもありました。

勤務地を広げたことで求人の種類が大きく変わったというより、経験を積んだことで、それまで候補にならなかった求人まで紹介されるようになったという感覚です。

一方、大都市圏で高い年収帯の求人を紹介されたときには、管理薬剤師だけでなく、マネージャーやさらに上の役職を想定したものもありました。

これは私が紹介された求人での経験なので、都市部全体の傾向とまでは言えません。

ただ、同じように高い年収を希望しても、求人によって求められる役割にはかなり違いがありました。

一人薬剤師の求人は、年収だけでなく、休憩の取り方や応援体制、事務員の有無などでも負担が変わります。

関連記事:一人薬剤師はきつい?転職前に確認したい負担と注意点

地方求人では年収や住宅支援が良い条件も見かけた

地方の求人では、年収だけでなく、社宅、住宅手当、引っ越し費用の負担など、転居を前提とした条件が付いているものもありました。

特に、交通や生活の利便性では人を選びそうな地域で、それ以外の条件が良い求人を紹介されたことがあります。

3回目の転職活動で見た求人を、約1年後の4回目の転職活動でも見かけたこともありました。

ただし、長く募集している理由までは分かりません。

採用が難しいのか、継続的に募集しているのか、別の事情があるのかは求人票だけでは判断できないため、「長く出ている求人=問題がある職場」とは考えない方がよいと思います。

また、地方だから年収が高い求人ばかりというわけでもありません。

一般薬剤師として、残業が少なく休日もしっかりある一方で、年収は低めという求人もありました。

勤務時間や休日も地域だけで決まるものではなく、薬局であれば近隣医療機関の診療時間などにも左右されます。

そのため、「地方なら年収が高い」「都市部なら休日が多い」と単純に分けるより、それぞれの求人が何を条件として出しているのかを見る方が分かりやすいと感じました。

年収・休日・勤務時間は一つの条件だけで足切りしなかった

求人が増えてくると、今度はどうやって候補を絞るかが問題になります。

私は年収、休日、勤務時間などに希望はありましたが、「この条件を満たさなければすべて除外」という決め方はほとんどしませんでした。

もちろん、今より大きく年収が下がる求人や、休日が極端に少ない求人などは候補から外していました。

それ以外は、条件を組み合わせて考えていました。

希望していた年収より少し低くても、休日が多く、勤務時間や残業の条件が良ければ候補に残します。

反対に、休日や勤務時間が多少厳しくても、それを補うほど年収が高ければ比較対象にしていました。

勤務地についても同じです。

北海道・沖縄・離島は基本的には希望していませんでしたが、条件がかなり良い求人については一応紹介してもらうようにしていました。

私の場合は、「年収が最優先」「休日が最優先」と一つに決めるより、それぞれの条件をどこまでなら譲れるかを考える方が比較しやすかったです。

年収だけでなく、勤務時間や休憩、通勤時間まで含めて転職先を比較した考え方については、こちらの記事で詳しく書いています。

関連記事:薬剤師の転職は年収だけで選ばない方がいい?拘束時間と実質時給で考える職場選び

正社員で探していたときに、派遣求人を紹介されたこともあります。

担当者に「できれば年収を上げたい」と伝えていたため、収入を上げる選択肢の一つとして提案されたものです。

最終的には正社員を中心に見ていましたが、希望条件によっては、当初考えていなかった雇用形態まで候補に出てくることもありました。

まとめ|地方転職では勤務地と条件をどこまで広げられるかを考える

私が地方を含めて求人を探した経験では、勤務地を広げることで選択肢はかなり増えました。

ただし、これは私が単身で転居しやすく、正社員として働けて、管理薬剤師も候補にできたことが大きく影響しています。

そのため、私の経験だけから「地方なら求人が多い」「地方なら高年収になれる」とは言えません。

一方で、地方で働くこと自体に抵抗がないのであれば、最初から勤務地を狭く決めすぎない探し方は選択肢の一つです。

私の場合は、住む場所を決めてから求人を探すのではなく、求人を比較してから住む場所を決めたことで、候補をかなり広げることができました。

また、年収、休日、勤務時間、勤務地などを一つずつ固定するのではなく、全体のバランスを見て比較した方が、自分に合う求人を残しやすかったです。

地方の薬剤師転職では、求人件数だけを見るのではなく、自分が勤務地をどこまで広げられるのか、希望条件にどこまで幅を持たせられるのかを整理しておくことが、求人を比較するうえで大切だと感じています。