転職を考えるとき、多くの人は年収、勤務時間、休日、仕事内容、人間関係などを重視すると思います。
もちろん、これらはとても大切です。
ただ、転職に引っ越しが伴う場合は、職場の条件だけでなく、実際にその場所で生活を続けられるかも考える必要があります。
私自身、薬剤師として転職したときに引っ越しを経験しました。
そのときは、職場への通いやすさや家賃は考えていましたが、住居の周りで買い物しやすいか、休日に何をして過ごすかまでは十分に見ていませんでした。
実際に住んでから、少し困ったこともあります。
この記事では、薬剤師の転職条件そのものではなく、転職に伴う引っ越しで見落としやすい生活面の注意点について、実体験をもとにまとめます。
なお、この記事では主に単身で転職・引っ越しをする場合を想定しています。
家族で引っ越す場合は、配偶者の仕事、子どもの学校や保育園、家族全体の生活環境なども関わるため、考えることが大きく変わります。
転職で引っ越すときは、職場条件だけで決めない
転職では、どうしても職場の条件に目が行きます。
年収はどれくらいか。
休みは取れるか。
残業は多いか。
仕事内容は自分に合っているか。
職場の雰囲気はどうか。
これらは当然大切です。
ただ、引っ越しを伴う転職では、それだけで判断すると生活面で困ることがあります。
極端な話、どれだけ職場の条件が良くても、その職場が住居から遠く離れた場所にあれば、通勤時間は長くなります。
仮に職場の近くに住める物件があったとしても、周辺にスーパーやドラッグストア、飲食店、駅などが少なければ、普段の生活で不便を感じるかもしれません。
また、車がないと生活しにくい場所であれば、車の購入費や維持費も考える必要があります。
年収が少し上がったとしても、車の費用や駐車場代、ガソリン代などで、自由に使えるお金が思ったほど増えないこともあります。
転職先の条件は大切です。
しかし、引っ越しを伴う場合は、職場条件と生活条件の両方を見る必要があります。
どちらも完全に満たす場所を見つけるのは難しいことも多いため、自分にとって何を優先するのかを考えておくことが大切です。
転職先の条件の見方については、こちらの記事でも書いています。
関連記事:薬剤師の転職で求人票だけではわからないこと
職場に近くても、生活しやすいとは限らない
職場に近いことは、毎日の通勤時間を短くできるという大きなメリットがあります。
ただ、職場に近いことだけで住む場所を決めると、生活しにくい場合があります。
たとえば、
・スーパーが遠い
・駅から離れている
・病院や銀行、役所が遠い
・休日に行く場所が少ない
こういったことは、住んでから気づくこともあります。
正社員として働く場合、おそらく職場との往復が一番多くなります。
しかし、生活は仕事だけではありません。
買い物、食事、運動、趣味、通院など、仕事以外の時間もあります。
そこまで考えて住む場所を選ぶと、日々の自由な時間を使いやすくなります。
買い物しやすい場所に住むと生活はかなり楽になる
個人的に大きいと感じたのは、スーパーの位置です。
以前、家から徒歩1分ほどの場所にスーパーがあるところに住んでいたことがあります。
このときは、休日の買い出しがかなり楽でした。
仕事帰りにも寄れますし、休日も「わざわざ買い物へ行く」という感覚があまりありませんでした。
スーパーが家の近くにあるか、帰宅途中にあるかだけでも、生活のしやすさはかなり変わります。
これはスーパーだけではありません。
スポーツジムへ通う人ならジム。
趣味で出かける人なら、その場所。
外食が多い人なら飲食店。
普段の生活で利用する場所が近いかどうかも、住みやすさにつながります。
転職では家賃や部屋の広さを見がちですが、自分が普段どんな生活をしているかを考えて住む場所を選ぶことも大切です。
車が必要な地域では、費用も含めて考える
地方へ引っ越す場合、車が必要になることがあります。
車があると便利なのは間違いありません。
しかし、便利になる一方で支出も増えます。
車両代だけでなく、
・自動車保険
・税金
・車検
・ガソリン代
・タイヤ代
・駐車場代
などもかかります。
車を持っていない状態で、収入を増やすために転職する場合は特に注意が必要です。
年収が上がっても、車を持つことで支出が増え、結果として自由に使えるお金が思ったほど増えないこともあります。
一方で、駅の近くに住んでいる人や、徒歩や自転車だけで生活できる人なら、車が不要な場合もあります。
車が必要かどうかは、「地方だから必要」ではなく、自分の生活で本当に必要かどうかを考えることが大切です。
車を持っていても、車通勤できるとは限らない
すでに車を持っている人でも、注意したいことがあります。
それは、車を持っていることと、車通勤できることは別だということです。
駅近くや市街地の職場では、従業員用の駐車場がないことがあります。
患者用駐車場はあっても、従業員は使えない場合もあります。
また、自宅側も駐車場付きとは限りません。
仕事のために車を持っている場合は、
・車通勤は可能か
・従業員用駐車場はあるか
・駐車場代は会社負担か自己負担か
このあたりは事前に確認しておきたいところです。
私の場合は薬剤師としての転職でしたが、職場によっては在宅業務があり、社用車ではなく個人の車を使う可能性もあります。
その場合は、ガソリン代や保険などの扱いについても確認しておくと安心です。
勤務先がはっきりしない転職では、引っ越し先を慎重に考える
店舗が決まっている転職であれば、住む場所も決めやすくなります。
しかし、エリア採用やラウンダー採用など、勤務先がはっきり決まっていない場合は注意が必要です。
私自身、地方で勤務していたとき、同じ県内の店舗へ応援に行ったことがあります。
同じ県内でしたが、片道2時間ほどかかりました。
頻度は多くありませんでしたが、それだけでも自由に使える時間はかなり減ります。
勤務先がはっきり決まっていない転職では、
・どの範囲まで勤務する可能性があるか
・応援勤務はあるか
・どのくらいの頻度なのか
このあたりは確認しておいた方がよいと思います。
大手薬局と中小薬局の違いや、異動・応援勤務の考え方については、こちらの記事でも書いています。
関連記事:大手薬局と中小薬局、薬剤師はどちらが働きやすい?転職前に確認したい違い
通勤時間は「通える」ではなく「続けられる」で考える
地図アプリで見れば、片道1時間でも「通勤可能」と表示されることはあります。
しかし、通える距離と、毎日続けられる距離は違います。
残業、渋滞、電車の遅延、天候などが重なると、思っていた以上に自由な時間は減っていきます。
薬局では、患者が多くなくても、近くの医療機関が開いているため薬局を閉めにくいことがあります。
そのような職場では、帰宅時間が読みにくくなるため、通勤時間の長さがさらに負担になります。
短期間だけ働くのであれば多少不便でも問題ないかもしれません。
しかし、正社員として長く働くのであれば、その職場へ通い続けられるかだけでなく、その生活を続けられるかも考えておきたいところです。
通勤時間や拘束時間の考え方については、こちらの記事でも書いています。
関連記事:薬剤師の年収は高ければよい?拘束時間と時給で考えた転職先選び
まとめ
転職で引っ越すときは、職場条件だけでなく生活条件も考える必要があります。
職場に近いことはもちろん大切ですが、それだけで生活しやすいとは限りません。
スーパーや普段利用する施設の場所、車の必要性や維持費、勤務先が変わる可能性、毎日の通勤時間まで考えておくことで、転職後の生活をイメージしやすくなります。
転職で引っ越すときは、「その職場に通えるか」だけではなく、「その生活を続けられるか」という視点でも考えてみてください。

