皮膚科・整形外科門前の薬局で働いたあと、社内異動で耳鼻科門前の薬局に移ることになりました。
これまで、ドラッグストア、総合病院門前、大手調剤併設ドラッグストア、内科・呼吸器科門前、皮膚科・整形外科門前と、いくつかの職場を経験してきました。
同じ薬局の仕事でも、門前の診療科が変わると、処方内容も患者さんの層も変わります。
耳鼻科門前に移ってから特に感じたのは、これまでより低年齢の子どもに対応する機会が多くなったこと、粉薬を扱う場面が増えたこと、そして花粉症の時期に忙しさが集中することです。
また、耳鼻科というと一時的な症状で受診するイメージもありますが、実際には花粉症、めまい、耳鳴りなどで定期的に通っている患者さんも多くいました。
今回は、耳鼻科門前薬局で働いて感じたことを、これまでの経験と比べながら書いていきます。
耳鼻科門前薬局へ異動した
皮膚科・整形外科門前で働いたあと、次に移ったのが耳鼻科門前の薬局でした。
それまでにも、内科や呼吸器科、皮膚科、整形外科など、いくつかの診療科の処方に触れてきました。
その中で、耳鼻科の処方はまた違った特徴があると感じました。
耳鼻科では、鼻水、咳、痰、のどの痛み、耳の症状、めまい、花粉症など、耳鼻科らしい症状に対する薬が処方されます。
ただ、内容の幅広さという意味では、内科門前の方が広かったと思います。内科では、生活習慣病、呼吸器疾患、消化器症状、皮膚症状、場合によっては整形外科に近い内容まで、かなり幅広い処方に触れることがありました。
一方で、耳鼻科門前では、内科とは違う確認点がありました。
特に、低年齢の子どもの処方、粉薬、花粉症の季節性、抗菌薬の説明、めまいや耳鳴りなどの継続処方は、耳鼻科門前に移ってから意識することが増えた部分です。
低年齢の子どもの処方と粉薬への対応
耳鼻科門前に移って、まず感じたのは、子どもの年齢層がこれまでより低くなったことです。
これまでの職場でも、子どもの処方はありました。
皮膚科・整形外科門前でも、その割合は耳鼻科と大きく変わらなかったと思います。
ただ、皮膚科ではニキビ治療などで、中学生や高校生くらいの患者さんも多くいました。子どもといっても、ある程度自分で症状を話せたり、薬の使い方を理解できたりする年齢の患者さんが多かった印象です。
一方で、耳鼻科門前では、生後半年くらいの乳児から小学生くらいまで、より低年齢の子どもの処方に触れる機会が多くなりました。
それに伴って、粉薬を扱う場面も増えました。
低年齢の子どもの処方では、年齢や体重に応じて薬の量を確認する場面があります。
耳鼻科門前では粉薬を扱う機会が増えたこともあり、処方内容を確認するときに、年齢や体重に対して量が適切かどうかを意識する場面が多くなりました。
また、低年齢の子どもの薬では、実際に薬を飲む本人ではなく、保護者に説明することが基本になります。
子どもが薬を嫌がることもありますし、粉薬をどう飲ませればいいか悩む保護者もいます。
そのため、薬の内容だけでなく、家庭で無理なく飲ませられるかどうかを意識して説明する必要がありました。
このあたりは、これまであまり粉薬を多く扱ってこなかった自分にとって、耳鼻科門前で改めて意識するようになった部分でした。
花粉症の時期に忙しさが集中した
耳鼻科門前で特徴的だと感じたのが、季節による忙しさの変化です。
特に、一般的に花粉症の時期とされる3月から5月頃は、患者さんが増えやすい時期でした。
冬も風邪やインフルエンザなどで患者さんは増えます。
ただ、実感としては、冬よりも花粉症の時期の方が忙しさが集中していたように思います。
花粉症では、抗アレルギー薬、点鼻薬、点眼薬などが処方されることがあります。
毎年同じ時期に症状が出る人も多く、毎年のように薬を使っている患者さんもいます。
抗アレルギー薬や点鼻薬は、症状や薬の種類によっては、継続して使うことが大切です。
ただ、説明の難しさという点では、皮膚科の塗り薬ほど複雑ではないと感じる部分もありました。
皮膚科の塗り薬では、塗る場所、量、回数、順番、いつまで続けるかなど、細かく確認することが多くありました。
それに比べると、抗アレルギー薬や点鼻薬は、説明する内容が比較的整理しやすいと感じる場面もありました。
もちろん、眠気などの副作用や、点鼻薬をどのくらい続けるか、症状が落ち着いた後にどうするかなど、確認すべきことはあります。
花粉症の時期は患者さんの数も増えるため、短い時間の中で必要なことをわかりやすく伝えることが大切だと感じました。
抗菌薬や症状に応じて使う薬の説明で感じたこと
耳鼻科門前に移ってから、抗菌薬を扱う機会も以前より多くなりました。
抗菌薬は、耳鼻科だけで使われる薬ではありません。
皮膚科でも、ニキビ治療などで内服の抗菌薬が処方されることはありました。
ただ、耳鼻科門前では、中耳炎や副鼻腔炎などに関連して、抗菌薬に触れる機会が増えたように感じます。
抗菌薬は、症状が良くなったとしても、基本的には処方された日数を飲み切るように説明します。
中途半端に中止すると、治りきらなかったり、薬が効きにくい菌が残る原因になったりすることがあるためです。
途中で体調が良くなると、「もう飲まなくてもいいのでは」と思う患者さんもいます。
特に子どもの場合、薬を飲ませるのが大変なこともあるため、症状が落ち着くと中止したくなる気持ちもあると思います。
そのため、自己判断で中止せず、出された日数を飲み切ることを伝える必要がありました。
一方で、抗菌薬によって下痢などの症状が出ることもあります。
抗菌薬と一緒に整腸剤が処方されることもありますが、それでも下痢や体調の変化が強い場合には、医師や薬剤師に相談してもらう必要があります。
また、耳鼻科で出る薬の中には、症状に応じて使う薬もあります。
鼻水、咳、痰などに対する薬では、処方医から「症状があるときだけでよい」と説明されている場合もあります。
抗菌薬のように決められた日数を飲み切る薬もあれば、症状に応じて使い方を確認する薬もあります。
耳鼻科門前では、特にこの違いを患者さんや保護者に誤解なく伝えることが大切だと感じました。
耳鼻科でも継続処方の確認が大切だった
耳鼻科というと、風邪、中耳炎、花粉症など、一時的な症状で受診するイメージを持つ人もいるかもしれません。
ですが、実際には定期的に通っている患者さんも多くいました。
花粉症で毎年薬を使う人。
めまいで薬を続けている人。
耳鳴りで定期的に受診している人。
薬の種類は内科とは違いますが、長く薬を使っている患者さんがいるという点では、内科・呼吸器科門前で働いていたときと似ている部分もありました。
継続処方では、症状が安定していることも多いです。
患者さん自身も「いつも通りです」「変わりありません」と話すことがあります。
もちろん、変わりがないこと自体は悪いことではありません。
むしろ、薬が合っていて、症状が安定しているのであれば、それは大切な情報です。
ただ、薬剤師としては、そこで確認を終わらせないことも必要だと感じました。
症状は本当に変わっていないか。
薬は続けられているか。
眠気やふらつきなど、困っていることはないか。
点鼻薬や点耳薬を使っている場合、使い方に困っていないか。
大きな変化がないことを確認するのも、薬剤師の仕事の一つだと思います。
これは、内科・呼吸器科門前で慢性疾患の薬を扱っていたときにも感じたことでした。
耳鼻科でも、薬の種類は違いますが、「変わりがないことをきちんと確認する」視点は必要でした。
まとめ
耳鼻科門前薬局に移ってから、これまでより低年齢の子どもに対応する機会が多くなりました。
子どもの処方自体はこれまでの職場でもありましたが、耳鼻科では生後半年くらいの乳児から小学生くらいまで、より年齢の低い子どもが多く、粉薬を扱う場面も増えました。
また、花粉症の時期には患者さんが増えやすく、抗アレルギー薬や点鼻薬などを継続して使う患者さんも多くいました。
抗菌薬については、以前の職場でも扱うことはありましたが、耳鼻科門前では触れる機会が増えました。基本的には出された日数を飲み切る必要がある一方で、症状に応じて使う薬もあるため、医師の指示や患者さんの理解を確認することが大切でした。
耳鼻科は一時的な症状で受診する人も多いですが、花粉症、めまい、耳鳴りなどで定期的に通う人もいます。
そのため、症状が安定している人に対しても、変わりがないことをきちんと確認する必要がありました。
耳鼻科門前での経験は、低年齢の子どもの処方、粉薬、花粉症の季節性、抗菌薬の説明、継続処方の確認など、これまでとはまた違う視点を学ぶ機会になったと思います。
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